FJ1 がいよいよ発送されユーザの手元にとどきました!
しかし。FJ1 を使って初めて DJ という遊びに触れる方にとっては専門用語のオンパレードで、機能の概念が今ひとつ分からないと思います。
いや、マニュアル読め っていう話は わかるんですよ。
でもこの機能って何に使うねん?あるいは、なんでその機能が必要やねん?っていうノウハウ的なやつ。
普段から DJ をしている人であれば常識的に使う機能であっても、常識故に前提知識の扱いをされ、利用用途やどう役立つかといった情報はマニュアルに書かれないかも知れません。
実際に GODJ Plus のマニュアルを見ても利用用途までは書いていない。
で、肝心の FJ1 がまだまだ(Ver 0.2.4) OS 面の実装が間に合っていない・・というのが、いち消費者たる私からみた状況です。
せっかく良いハードなのに、はじめて DJ に触れてみようとしている人たちの心が離れてしまうのは惜しいなあと思ったので、ここではイントロダクションとして、DJ アプリや前身の GODJ Plus を触ってきて得た知識を元に、マニュアルと未経験ユーザーの間を補完するものを目標とします。
イベントで DJ デビューを目指す!!っていう人はググれ、で良いかも知れないと思うんですけどね。
そもそも DJ って何しているんだ?っていうのは昔 書いた文章 にまとめております。
はじめに(前置き)
まず、旧 Pioneer の DJ 専用の音楽プレイヤーである『CDJ』シリーズが、DJ 業界の事実上の標準と言えます。

このプレイヤーに搭載されている機能をベースに、世間の DJ アプリや FJ1(や GODJ Plus)への実装、
さらにはもっと便利な独自の機能が作られていく、と表現することが出来ます。
※厳密には違うが、ここでは論旨ではない。
従って、FJ1 にまだ実装されていない機能においても、
・何に使うのか
・どう使うのか
などの理解あるいは知識を前もって共有することが出来ます。予習ってやつ。
従って以下の説明では FJ1 以外の DJ アプリの画像を用いていますが、FJ1 と概念は ほぼ同じです。
(厳密には違ったりするが、なるべく共通する部分を書いています。)
CUE
今回は 『CUE』 について述べます。キュー。
DJ で曲をスムーズにつなげるうえで 最も重要なことと言えるのは
・頭出し(その地点から曲を再生する準備のこと)
・曲の再生を START するタイミング
と言えます。
このうち特に 頭出し に関連するのが CUE です。
CUE は曲の再生タイムスタンプを記憶して、瞬時にその地点にジャンプすることができます。
機材や人によっても表記ブレがあったりするのですが、
一旦、ここでは『曲の再生位置を記憶して、瞬時にその場所へ移動する機能(頭出し)』のことを『CUE』と呼びます。
これにより、再生ボタン(PLAY)を押した瞬間に音を鳴らすことができるのです。
なぜこれが必要かと言うと、多くの曲は、先頭に無音区間 が 0.5 秒ほど存在するので、事前に頭出ししないと
最初の無音で 2つの曲で再生がズレてしまうのです。

スムーズにつなぐ、という観点ではこれでは台無し・・・。
そのため、FJ1 などの DJ 機器やアプリでは頭出し のための CUE 機能が必ず搭載されています。
(GODJ Plus では自動検出機能があったので、FJ1 でも意識不要かも。)
CUE 1〜 CUE 4
FJ1 では、すべての曲ごとに CUE1〜CUE12 が存在します。
ここではボタンに対応している CUE1〜CUE4 だけ切り取って紹介します。
最初は『空っぽ』の、いわば 記憶モード です。

せっかくなので 吉幾三の名曲『俺ら東京さ行ぐだ』を題材にしましょう。
最初は空っぽです。
音の鳴り始めを CUE1 に設定したいので、少しずらして CUE1 を押す。


空状態の CUE1〜CUE4 を押すと、(再生中であっても)その時点のタイムスタンプが記憶されます。
前述しましたが CUE1 は最初の音がなる瞬間 に合わせるのが良いでしょう。
#わかる DJ 向けに書くと、GODJ Plus では CUE1 がその曲の先頭ビート位置とみなされます。
記憶済みとなった CUE1 を押すと、瞬時にその時点にジャンプするようになります。
停止状態であれば、押している間は再生するので サンプラーみたいに使うことも出来ます。
もう少し設定を進めましょう。

上記のように CUE1〜CUE4 を設定してみました。
注:現時点のファームウェア(Ver 0.2.4)では CUE を設定しても上図みたいなマーカーは表示されません!!
停止中であれば ジャンプだけしますし、再生中であれば瞬時にそのタイムスタンプから再生されます。
本来の CUE の目的である 頭出し の他に、イントロ終わった瞬間 CUE4 を押せば1番を飛ばすプレイができちゃいますね!
あと、「東京に出だなら、銭こァ溜めて、東京で牛買うだぁ・・・がっ!」の「がっ!」の瞬間に CUE4 を押せば、
「東京で牛買うだぁ・・・ハァ、ギターも無ェ!」って飛ばしちゃうこともできます。閑話休題。
実はこれらの CUE1〜CUE4 は、CUE の中でも特別な動作をする『ホット キュー(HOT CUE)』とも呼ばれています。
一度設定した HOT CUE は永続的に保存され、電源を切っても記憶されています。
間違って設定してしまったり、他の CUE ポイントで上書きしたい・・という場合は削除できます。
クリアを押すとクリアモードになり、記憶済の CUE1〜CUE4 を押すと、クリアされます。
こうすれば、最初の “記憶モード” に戻ることができます。
この HOT CUE を設定して記憶させていくことを、俗に「キューを打つ」とか「 CUE 打ち」と呼びます。
DJ は、これを掛けるすべての曲に行います!
イマドキのデジタル DJ にとって『 CUE は財産 』なので、
暇な時間を見つけては、曲を沢山きいて、いい感じのポイントにどんどん CUE を打っていきましょう!
ただし、 FJ1 は 楽曲管理ソフト rekordbox への対応を表明しています。
現時点で未対応なので全容は不明ですが、、もし rekordbox で設定した CUE を読めるのであれば、rekordbox で CUE 設定したりプレイリストを作成したほうが圧倒的に便利で早いです。
無印の CUE
ここまで 四角いボタンの HOT CUE について説明してきました。
じゃあ再生(PLAY)の上にある丸い CUE ボタンってなんなんだよ?という話をしていきます。
これは HOT な CUE ではないので、再生中に押すとそこにジャンプするが、絶対に再生が止まる動きをします。
ホットキューは、再生中に押しても再生が止まらない(活性)から、 HOT な CUE なのです。ホットスタンバイ的な意味で。
CUE ボタンを 停止中に押すと、クリアが必要な HOT CUE と違って タイムスタンプが直ちに上書きされます。
また、HOT CUE と違って永続的に記憶されない テンポラリー(一時的)な CUE です。
#GODJ Plus では最初の音がなる地点に CUE が自動設定されます
じゃあ、どう使うのか?
最初に頭出しポイント(CUE ポイント)を探して、CUE ボタン を押して上書きします。
つぎに、『押してる間再生して、離すと元に戻って停止』するのを利用して、曲の出だしが正しいかを確認したり、曲の再生を開始するタイミングを手で図るのに使います。
スムーズに繋ぐ DJ はヘッドホンで CUE 側を聞いて、次の曲を流すタイミングを何度も何度も図っているのです。
上手くいったら、CUE ボタンを押したまま、そのまま PLAY ボタンを押して再生を確定させます。
HOT CUE も停止中は同じ挙動になるので、どちらでも構いませんが、こちらの CUE を使うことが多いと思います。PLAY ボタンの隣にあるし。(実はここは CDJ 挙動違うし。。)
もちろん自信があれば直接 PLAY を押しても構いません。
私は GODJ Plus で DJ する際は、
1.曲をロードする
2.停止状態で頭出ししたい地点のホットキューを押す
3.CUE ボタンを押して、キューポイントを更新する
4.CUE ボタンを連打してタイミングを図り、次の曲を流す
という感じでやっています。
まとめ:2つの CUE
【ホット キュー】
・永続的に保存される CUE
・再生中に押しても再生が止まらず、すぐに指定したポイントから再生が再開する
・停止中に押すと、押している間再生する
・複数のポイントを記憶できるので、曲の好きな場所へ瞬時に
【無印 キュー】
・一時的なキュー
・再生中に押すと、指定したポイントに移動し、再生が必ず停止する
・停止中に押すと、押している間再生する
・次の曲のスタートタイミングを測るためによく使われる
つづく(つづかない)