はじめに
久々にとんでもないものを観てしまった。なんなのあれ・・・。
あまりにも唐突に発表された『舞台』。
へー、東京人相手の商売はええのぉ〜、こちとら観に行くだけで5万掛かるわぁ〜。
みたいな感じで大阪人丸出しの僻みを放っておりましたが、
日帰りだったら3万で行けるんじゃね?みたいな良くない考えがチラつき始めて、
受付終了10分くらい前に「まぁどうせ落選だろ。」って申し込んだところ、無事当選してしまいました。とんでもなく贅沢な東京急行(弐)。
頭の片隅にあるのを吐き出したくなったので書き殴ろうと思いました。
プロローグ
着席すると、いつもと違って会場に鳴り響く波の音。
開演直前に1つ前の席になんかセーラー服の女性が座って、
「お、おぉ・・なんか気合い入ってんな?」みたいに思いつつも、薄暗くなり大きくなる雷雨の音の前に気にしなくなっていました。
朝霜「ひでえ戦いだったな!頼りになった姉達も、可愛かった妹達も、みんな沈んぢまった。」
清霜「武蔵さんも沈んじゃった・・・」
うわぁ・・・マジで朝霜がいる・・・清霜がいる・・・
声優さんと違って舞台役者さんだから声が全然違うはずなんだけど、外見や喋り口調まで寄せているのでマジで本物。
しかし、この第一声のセリフは「この舞台では轟沈(≒死亡)描写がある」ことをド直球に示しています。
否が応でも死ぬか死なないか、を意識させられるのです。
負傷した大淀が伊勢日向と厳しい戦局を話すシーン・・・
・・・ですが、同時進行で描かれる舞台では、
清霜が岩場に座ってキョロキョロ望遠鏡を見渡したり、岩場にもたれかかるように微睡んだり、猫か!(喜)
なんなら舞台の都合上、私の真ん前が清霜で、大淀と伊勢日向が見えない(喜)
舞台は目まぐるしく転換され、足柄さんが単独で登場。
先に逝った那智にウィスキーを一献。絶対本物じゃん。
少しして、作戦計画の書類を持ってサシで呑む大淀と足柄。
遠慮がちに作戦の旗艦は『霞』だと伝え、「ウチの提督らしい。」と受け入れる足柄。
「夕雲型がベテランの時代かぁ」と、もう艦船が残っていない戦局の厳しさを滲ませます。
霞、足柄、大淀、清霜、朝霜、杉、榧、樫。
残存した速力がある艦を寄せ集め、敵の資材集積地に突入させ、焼き尽くしたら速やかに離脱する。
そんな無謀すぎる史実通りのヒットアンドアウェイ「礼号作戦」がこの舞台のお話です。
艦これの世界観とキャラを全部知っている前提で、一作戦をピックアップして描くのは、アニメにおける THE MOVIE って感じで合理的で良いよね。
演習パート
敗戦も視えはじめるなかで、士気がまーったくゼロな後輩駆逐艦3隻(杉、榧、樫)。
当時はまだ 3隻はゲーム本編では未実装だったので、舞台のほうが先行しています。すげえな。
霞(と朝霜、清霜)はこの3隻を死地に遣っても成功させられる練度に仕上げなければなりません。
間に合わなければ無駄死にさせてしまいかねない焦りもあるなか、日向達の助力も得て演習は続き、
ついに足柄が納得するレベルに。
しかし、それはいよいよ作戦決行の機が熟したということになります。
深海棲艦パート
場面変わって深海棲艦。
艦娘と違って基本喋らない深海棲艦のパフォーマンスは、照明とダンス。
舞台が暗転して照明が照らされるたびに艦が増えていく演出だとか、
『モドレナイノ』の歌唱に合わせて全員で叫んだりとか、
マイケル・ジャクソンの『スリラー』のミュージックビデオを想起させるダンスがあまりに格好良く、圧倒的なクオリティで今思うと、ここが一番ヤバかったのかもしれない。
作戦前半パート
いよいよ殴り込みに向かう零号組。
艦これ的には決戦とかの意味合いがある白ハチマキを一切のセリフなく、一人ずつ締めていきます。
早速あらわれる敵の索敵機。空襲へ。
『シン・ゴジラ』を思わせる早口で指揮を執る霞、悲鳴、轟音。舞台全面に使って駆け回る。
客席前方だと後方がよく見えず、何が起きているか良くわからないところも含めて戦場かよと誤認させる。いや、観たかったので円盤にして。
「危ない!」
突如、清霜以外が暗転、静止して「えっ・・・?」と清霜だけが動くシーン。
爆音。皆が動き出し、再び「えっ・・・?」、
数刻、
「痛いよぉーーー!!!!」絶叫。
激痛が伝わってくるような。現実で例えれば交通事故現場のような。
あまりの迫真の絶叫ぶりに、若干引いたくらいビビった。
清霜を保護しながらも戦闘は継続され、敵航空機(タコヤキ)が死力で足柄の肩に喰らいつく!
(タコヤキを運んでいる黒子さんの構図が若干シュールだったが、舞台ってこんな感じなのね)
戦闘終了。清霜中破、足柄小破。
突入前に妨害を喰らってしまった形ですが、足柄は「演習の成果じゃない!」と皆を労います。
マジ足柄さん・・・。
「敵ながらあっぱれ」と肩に喰らいついて絶命したタコヤキを引き剥がし、「この子も海に還さなきゃね」と水葬に付して一同敬礼。
艦これって独特の死生観を持っていると思うのですが、よく表しています。
しかし、清霜のダメージが大きく朝霜によれば大破寄りの中破。
旗艦 霞はゴネる清霜の進撃を許可せず、杉に護衛を命じて退避させます。
清霜には霞自身の浮き輪を託して・・・。(「ミスカ」って書いてる)
物販
今回はめちゃめちゃスムーズだった(※重要情報:当社比)と思いますが、
まぁ事後物販してくれるらしいし、良いんじゃない。
終わりに
結果、すげえものを観てしまったという余韻で品川駅で棒立ちする挙動不審者が生まれました。
艦これ運営は(素晴らしい刀剣乱舞様のように)リアルイベントを映像には残さず、一期一会みたいな思想があるのですが、それは哲学として分からんでもないけど東京人相手だから成り立つ話よね。
今回の舞台も品川プリンスホテルの clubEx の円形スクリーンと配置をフル活用したので映像化できないとか雰囲気が伝わらないってことかもしれないけど、そもそも前方の席だと後ろで何が起きているかサッパリ分からなかったので、それよりは絶対マシでしょう。
つまり責任をとって映像化して!!ウワーン!!!!
そういえば、一つ前の妙に気合が入ったセーラー服の女性の方ですが、
どうやら吹雪役の上坂すみれさんだったみたいです。びっくり!