リンクの冒険 ストーリー

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Wiiのバーチャルコンソールに『リンクの冒険』が追加されていましたが、
ストーリーは大部分が割愛されていました。
ディスクシステムの説明書ではアニメ調の挿し絵がついた絵本になっていて、
あまりにもったいないので、唐突ながら手持ちの説明書から全文転載でもしようと思います。

つーか任天堂は説明書について今一度考えなおしていただきたい。

ストーリー

――リンクはガノンとの激しい戦闘の末、ついにガノンを倒し、
トライフォースを取り戻し、ゼルダ姫を救い出しました。
しかし、本当にすべてが終わったのでしょうか。
それから季節が何度かめぐりました。

ハイラルは荒廃の一途をたどる一方でした。

ガノンの邪悪な心の残した力が、ハイラルの秩序をすっかり乱していたのです。

そのうえ、ガノンが倒されたあとも、その一部の手下たちはハイラルに残り、ガノン復活の機会をうかがっていました。

ガノン復活の鍵、それはガノンを倒したもの――リンクの血でした。リンクをいけにえにし、その血を灰になったガノンにふりかけることにより、ガノンは復活するのです。

いっぽうリンクは、この小王国に残り、ハイラルの復興に力を貸していましたが、状況はよくありませんでした。

そんなある日、16歳の誕生日を迎えたリンクの左手の甲に、不思議なあざが浮き出てきたのです。

そのあざは、まるで王国の紋章のようでした。気になったリンクは、ゼルダ姫の乳母である、インパの元にでかけました。

あざを見たインパは、驚き、あわてふためきましたが、冷静さを取り戻すと、リンクを北の城に連れていきました。

北の城には、開かずの扉というものがあり、その開け方を知っているのは、代々王家に仕えるインパの家系を継ぐ者だけでした。

インパはリンクの左手をとると、どの扉に手の甲を押し当てました。

するとどうでしょう。錠前のはずれる音がして、扉がきしみながらゆっくりと開いていくではありませんか。

そしてその部屋の中央には、大きな祭壇があり、そこには美しい女性が横たわっていたのです。

「あのおかたが、初代ゼルダ姫じゃよ」

インパはおちついた口調で話はじめました。

リンク、お前にハイラルに伝わる『ゼルダの伝説』を語らねばならない時がきたようじゃ。

 

昔、まだハイラルが1つの国だったころ、偉大なる王がトライフォースを使って、
ハイラルの秩序を保っておったそうじゃ。

しかし王もまた人の子、寿命尽きて亡くなられた。

そしてこの国の王子が次の国王となり、そのすべてを受け継ぐはずだったのじゃが、
トライフォースだけは不完全にしか受け継ぐことができなかったのじゃ。

王子はその足りないものを求めて、ありとあらゆる所を探したが、なかなか見つからなかった。

そんな時、王の側近の魔術師が思わぬ知らせを持ってきたのじゃ
魔術師は、どうやら王は死ぬ前に、この王子の妹の初代ゼルダ姫だけに
トライフォースについての何かをしゃべったというのじゃ。

さっそく王子はゼルダ姫を問い詰めたのじゃが、姫は決して口を割ろうとはしなかった。

いっこうに聞き出すことのできない王子にかわり、今度は魔術師が、
しゃべらないのなら永遠に眠り続ける魔法をかけるとおどかしたが、
それでも姫は、しゃべろうとはしなかったのじゃ。

業を煮やした魔術師は、本当に魔法をかけようとし、
おどろいた王子は、呪文を唱えるのをやめさせようとしたが、

魔術師は王子をはじきとばし、さらに呪文を唱え続け、
そしてとうとう呪文を全部唱え終えてしまったのじゃ。

ゼルダ姫は、その場に崩れ落ち、いつ覚めるともない眠りに入ってしまった。

と同時に、魔術師もその場に倒れ、絶命していたそうじゃ
王子は大いに嘆き悲しみ、ゼルダ姫をこの部屋においたのじゃ。

いつかきっとよみがえることを願ってな。

そして、この悲劇を二度と忘れぬようにと、代々王家に生まれる女の子には、
必ず『ゼルダ』と名付けるように命じなさったのじゃ。

インパは、ゼルダ姫の眠る祭壇の横の台の上より、やはり同じ紋章のある1本の巻物と、6つの小さなクリスタルを取り、リンクに手渡しました。

リンク、それは偉大なる王が、きたるべき時のために用意しておいたものを、
私の一族が代々伝えてきたものじゃ。

 

古代の文字で書き記してあるので今では誰も読めぬが、
紋章を持つそなたなら、読むこともできよう。

それにはトライフォースを完全なものにする鍵が隠されているという。さあ、読むがいい

リンクは半信半疑で、巻物に目を通しました。するとどうでしょう。
今まで見たこともない文字なのに、まるで文字のほうから語りかけてくるように読むことができるのです。

その巻物には、こんなことが書かれてありました。

後世のトライフォースを操るものよ。そなたにトライフォースの秘密を伝えよう。

 

トライフォースには、3枚の種類がある。すなわち、”力”、”知恵”、そして”勇気”。
この3枚のトライフォースを合わせた時、トライフォースはその最大限の力を発揮するのだ。

3枚のうち、”力”と”知恵”の2枚は王国に残すから受け取るがよい。
しかし”勇気”のトライフォースは理由あって私が隠した。

トライフォースは誰でも使えるというわけではない。
悪しき心を持たぬしっかりとした人格も必要だが、生まれながらの特殊な素質も必要なのだ。

残念ながら私の生きている間に、そのような人物を見つけることはできなかった。
それで私はハイラル全土に魔法をかけることにしたのだ。

素質を持った人間が道を誤らずに育ち、さまざまな経験を積み、
ある年齢に達したとき、紋章が現れるようにな。

しかし、もしそれまでに、ほかの誰かがトライフォースを使えばどうなるだろうか。
使い方を誤ればさまざまな悪を産み出す
”勇気”のトライフォースは、ハイラルで一番大きい島の”死の谷(デス・バレー)”にある大神殿に隠してある。

しかし、そこに入るには、まずハイラルにある6つの神殿で、守護神と戦い”結界”を解かねばならぬ。

これらの守護神は、私が神殿に外敵が侵入するのを防ぐために作ったものだ。

そして守護神を倒したら、その奥の石造の額にクリスタルをはめこむのだ。

6つの神殿のすべての石造にクリスタルをはめ終わったとき”死の谷(デス・バレー)”に張られた”結界”は解け、大神殿に入ることができるようになる。

そこでそなたは、最後の守護神と戦うことになる。その守護神を倒してはじめて、トライフォースを手にすることができるのだ。

恐れることなかれ、そなたならきっとトライフォースを得ることができよう。
そしてハイラルの希望の光となることを願う

巻物を読み終わり、ゆっくりと顔を上げるリンクにインパは嘆願した。

初代ゼルダ姫にかけられた魔法も、トライフォースを使えばきっと解けるはずじゃ。

 

リンクお願いじゃ、トライフォースを完全なものにし、姫を救っておくれ。
そして、平和なハイラルを取り戻しておくれ

リンクは無言でうなずくと、祭壇のほうを一目見て部屋を後にしました。

そしてリンクは一人旅だっていきました。左手にはマジカルソード、
右手にはマジカルシールドを持って。

いっぽうそのころ、ガノンの手下たちは魔界より新たな仲間を呼び寄せ、ガノン復活にむけて動きはじめようとしていたのです・・・・・・。

ハイラルの土地のどこかにある6つの神殿。

各所に潜むガノンの手下たちと戦い、経験をつみ、あちこちの町に立ち寄りながら情報を聞き、それらを見つけねばなりません。

そして「死の谷(デス・バレー)」の大神殿で、守護神と戦い抜き、”勇気”のトライフォースを手に入れる

――それがリンクの使命です。
転載元:『リンクの冒険』取扱説明書5~17P

原文

 

「リンクの冒険」

クリックすると拡大表示されます。(200~350kB)

1枚目

2枚目

3枚目

4枚目

5枚目

6枚目

7枚目

8枚目

 

この後に発売されるのは「神々のトライフォース」ですが、
「リンクの冒険」のずっと前、ゼルダ姫が眠りの呪いを掛けられる前の話だそうです。

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